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今夜も食事会、明日は早起きゴルフで駐在員の憂鬱は続きますな。
さて
先日「風のガーデン」の話の中で緒方拳さんの話が出ましたが
それと前後して、彼が主演のこんな映画を観たので紹介します。
『
ミラーを拭く男 [DVD]』
定年間際で事故を起こしてしまい、その後あらぬ行動に出た一人の男の話。
ミラーとは、死角のある道路の角や、見通しの悪いカーブに設置されている
あの鏡のことです。
コーナーミラーとかカーブミラーとか言ったりしますが、
正確には「道路反射鏡」と呼ぶらしいです。
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ある日、T字路で女の子をはねてしまう。いや実際には撥ねてなかったか…。
避けようとして、そこにある「道路反射鏡」に車をぶつけてしまう。
女の子はかすり傷であったが、彼女の祖父が常識はずれの因縁を
毎日のように彼の家に突きつけてくる。
それでも彼はそちらには無関心で、彼の妻と子供たちがいやな役目を
引き受けていた。
彼は、事故現場に行き、そこにある「道路反射鏡」をずーっと見つめた。
ある瞬間に、彼の中の「何か」がはじけたようであった。
自転車に脚立を積み、無心にその「道路反射鏡」を磨き始める。
何かを確信したように、彼は会社を勝手にやめ、家族に内緒で壮大な旅に出た。
その自転車と脚立で。
全国の「道路反射鏡」を全部磨き上げることを決意し
彼は北海道から途方も無いことを始めたのであった…。
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緒方拳さん演ずる彼は、劇中殆どせりふを口にすることがありません。
途中、サイレント映画を観ているような錯覚に陥りました。
彼が「何を」思っているのかも、言葉がない分、こちらの想像力に委ねられます。
観る側の想像力次第で、面白いとも、つまらないとも、取れるかもしれません。
拙者なんかは自転車で北海道を走りまくっている映像だけで
歓喜なシーンなのですが、それじゃ単なるマニア的な映評ですね(笑)。
いずれにせよ、彼は旅の中で様々な出会いを重ねながら
自分の中の「何か」に突き動かされるように邁進して行きます。
この辺の感覚が一時の自分と重なる感じがして、
やんわりとした共感を覚えるとともに、無口で不器用な彼に
愛着を感じてしまいます。
テーマは家族の崩壊と再生みたいなことが書いてありましたが、
拙者は単に緒方拳さんの演技する一人の男のストーリーとして
観させてもらいました。
参考:「
道路反射鏡協会」
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