11月4日
無錫で迎える初めての朝。
見慣れた風景と思いつつもカーテンを開けた。
…、何も見えない。
無錫ならず霧錫な朝に出迎えられた。

ホテルの19階から眺めた濃霧の朝は、まだ雲間を進む飛行機の中にいるように感じられた。
行きかう車の音や煩雑に鳴り響くクラクションは聞こえてくるが、
景色は無に近い音色を奏でていた。
あれだけ暑かったこの街にも、深々と秋の気配が漂っているなと感じた。
午前中、この霧は消えることはなかった。
結局、上陸してからの一週間で、これほどの霧になったのはこの一日だけだった。
その後は、普段通りの大気汚染による霞んだ空。
それでも、夏に比べると高くなった空を感じるようになってきた。
大気汚染で思い出したが
ここ中国は、最近になってかどうか分からないが、ようやく環境に対して
取り組むようになってきたようだ。
といっても、これ以上悪くなるのをなんとか抑えようとするもので、
改善されるレベルではなさそうだ。
中国といえば自転車大国。
おなじみの風景といえば車道いっぱいに自電車の大群が行きかう朝の風景、、、だったが、
ここでは全く違う。
あの自転車が、車、オートバイへと移行してしまったようだ。
このままだと、大気汚染で間違いなく地球は滅びると肌で感じる。
この国が秘めた底知れぬ世界への影響力というものを強く感じる。
まだ目覚めたばかりの大国が、多方面で脅威になるような恐怖感を時々抱く
ますたぁなのであった。
(社会面風)
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